XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

有線 電信体験装置

有線式、電信体験装置 3号機

  A1クラブの次世代支援プロジェクトで私の作った有線式の電信体験装置が活用されることになった。『高校1年生よりエレキー内臓の無線機はあるがモールスを練習するための電鍵が無く困っているという相談をうけ、事情を聴いたところ「学校に無線部はあるがモールスを練習できる環境が無い」とのこと、そこで無線部の仲間同士で練習ができるように』とA1クラブから電鍵、パドル、それに音を出せる電信体験装置が送られることになったという。 
 電信の習得は実際の交信を聞き、耳で慣れていくことが一番だとは思うが、有線で繋がった音の出る装置で互いに交信するのも役に立つだろう。この装置はだいぶ以前に作ったものだがこうして役になってくれることは嬉しい限りである。

 この有線式電信体験装置はもう10年以上前に作ったものだ。2台の装置をステレオプラグのついた3芯ケーブルで繋ぎ、互いに音で送受信ができる。自分の打った信号と相手からの信号では音の高さを変えている。PICを使った簡単な装置で体験会では子どもたちに楽しんでもらったものだ。
 まだ役立つ場面があるのならとATtinyに移植して作ってみることにした。ATtiny202という小さなマイコンを使ったのだが、いろいろとトラブルに見舞われながらスケッチを書くことを楽しんだ。自分が打った信号と相手からの信号を異なる音で表示するのは簡単にできた。それだけでは面白くないので裏モードを付けることにした。モールス符号の受信練習にも使えるように数字とアルファベットをモールス符号で自動送出するモードを組み込んだ。キーを押しながら電源を入れると裏モードになる仕組みだ。さらに、オープニングメッセージをモールス符号で送出するようにした。メッセージの内容はスケッチのデータ部分を書き換えれば自由に変更できる。裏モードの送出データーも同様に書き換えられるよう、モールス符号の変換データを組み込んだ。                                                            XRQTechLab製作ページ
 出合ったトラブルとは、キーを押したとき音が断続してしまいきれいな音にならなかったこと、メッセージの音は出るがキーを押しても音が出ないこと、その他文法ミスなど数えきれないほどだった。いろいろ書いているうちにスケッチが202では収まり切れない分量になり402に変えて試したりもした。tone()関数が曲者で、うまく動作する場合もあれば期待通りに働いてくれない場合もあった。あれやこれやと試行錯誤の結果纏めたのが今回の製作である。洗練されたものではないがどうやら動作してくれている。

 電波を使わず、有線で向かい合ってモールス符号の電信で交信するのはそれなりの面白さがある。モールス符号が分かったという喜びが得られるのだ。ピーピーという雑音のような音が一塊の音として文字として認識できた時の嬉しさが味わえる。
 モールス符号を使うことのおもしろさを多くの人に体験してほしい。もっと分かるようになりたいと習練意欲に繋がれば電信のすそ野も広がってくるであろう。
 高校生が電信に興味を持ってくれたことに嬉しさを感じたプロジェクトである。