XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

坂東太郎を治める

shig552006-07-31

やっと梅雨明け宣言が出された。しかし北の高気圧の勢力が強く冷たい風が吹き込んでいる。からっとした夏はもうしばらく先のようだ。

千葉県野田市のひまわりを探しに出かけた。野田市の北西の端、関宿近くにあるという情報をもとに車を走らせた。それらしき畑を見つけたが、時すでに遅し、どの株も元気がなく、花もすでに種になっている。太陽のように黄色い花が一斉に空を向いている景色を予想していたが、うら寂しい畑の様子にちょっと落胆する。

気を取り直して、町の散策をする。終戦時の首相、鈴木貫太郎さんの記念館を通り過ぎ、関宿城博物館へ。利根川東遷の歴史を中心に、治水と、かっての水上交通の繁栄の様子などが展示されている。
利根川は江戸時代、関東平野北部の水を集め東京湾への注いでいたという。そのため江戸市中が洪水に見舞われることが多かった。また、物資の輸送は水運が主流であったため、東北地方からの物資は荒れる銚子沖や房総半島を回るルートではなく銚子から川を上り、江戸へ下るルートが待たれていた。
利根川を徐々に東に移し、銚子から太平洋に流すようにする事業が行われた。これを東遷というそうだ。新たに川を開削したり、これまでの川をせき止めたりさまざまな苦労の末、流れを変えてきたという。江戸川は計画的に開削された川で関東ローム層の固い地面を人力で掘り作られた川だそうだ。玉川上水以上の大がかりな工事だったようである。その利根川からの分岐点、江戸川の流頭がここ、関宿である。
偶然に立ち寄った関宿だが、歴史の大きな流れと、治水・水運・地域の隆盛を知り、江戸川の流頭を散策する機会を得た。小さな旅も楽しいものである。

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