XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

水道の水

shig552006-07-06

梅雨前線の停滞で九州地方には大雨注意報が続いている。関東地方は今日は前線が南の太平洋よりに位置したため、梅雨の中休み。すっきりした青空は臨めないものの、薄日の差す蒸し暑い一日。

気温が高くなると水の消費量が増えてくるようだ。東京では多摩地区は多摩川水系の水、区部では利根川荒川水系の水が主に使われている。

江戸時代、ため池の水を江戸市中まで流していた神田上水の水が不足するようになり、玉川上水が作られた。多摩川の小作から水を取り入れ台地の高い部分を通り、江戸市中四谷大木戸まで40kmあまりの水路である。あえて台地の高いところを通るというルートをとったおかげで、そこからたくさんの支流が作られ、その後の新田開発に利用されたという。
当時は浄水施設もなかったので川の水をそのまま活用していたのだが、現在の水道は水質の汚れもあってそのまま利用するわけにはいかない。浄水場で水を飲料可能なまでにきれいにして送っている。
その方法は次のようだという。川からの原水にまず凝固剤のような薬品が混ぜられ、原水に含まれる泥や不純物同士を固まらせる。固まった不純物を沈殿させると原水は透明度を増し、一見きれいな水になる。しかし、まだまだ細かなものが混じっているので、濾過をするのだそうだ。ちょうど地層と同じような小石や砂の層を通すことでほとんどの不純物が取り除かれる。さらに高度の化学的処理が行われ、塩素で殺菌されて水道水になるのだそうだ。

都内にはいくつもの浄水場があり、多くは高台に設置されているとのこと。給水に便利なためだという。水道にはある程度の圧力がかかっていなければ蛇口から水が出てこないわけで、高いところから供給すればその圧力が得られるわけだ。そうでない場合にはポンプでの給水となる。ビルなどで受水槽にためられた水を、揚水ポンプで屋上などの高置水槽に送り、そこから各蛇口に給水されている。仕組みは同じ訳だ。

水道の水は軟水なのだという。それに対して市販されているミネラルウォーターは硬水。洗濯などでは軟水でなければならず、紅茶を入れるにも軟水がいいという。

何気なく水道をひねって水を使っているが、この水がどこからどのようにここまで来ているのかを考えると、大変な手間がかかっていることに気づく。また、水は生み出されるものではなく循環するものであることに気づく。水を買う時代になっているが、一方で水道水の無駄遣いも多い。江戸時代のように人の暮らしも自然の一部という意識を呼び覚ますことが必要なようだ。