XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

徒然草(1)

shig552006-12-30

後二日で年が明ける。東京は暖かい日が続いている。冬の気圧配置になり、等圧線が縦に伸び、日本海側では雪が降り続いている。部屋の片づけをしなければならないのだがなかなか続かない。
ふと手に取ったのが徒然草

学生の頃は古文に親しむと言うことで内容についてはあまり考えることもなかった。時を経てゆっくり読んでみるとなかなか味わい深い。吉田兼好という出家者のエッセーであるが人の本性を見抜いているように思う。

『屏風障子〔今の唐紙〕などの繪も文字も、かたくななる筆樣(ふでやう)〔下品な書き樣〕して書きたるが、見にくきよりも、宿の主人(あるじ)の拙く覺ゆるなり。大かた持てる調度にても、心おとりせらるゝ事はありぬべし。さのみよき物を持つべしとにもあらず、損ぜざらむためとて、品なく見にくきさまに爲なし、珍しからむとて、用なき事どもしそへ、煩はしく好みなせるをいふなり。古めかしきやうにて、いたくこと\〃/しからず、費もなくて、物がら〔物の質〕のよきがよきなり。』第81段 尾上八郎解題、山崎麓校訂(校註日本文學大系3 國民圖書株式會社)

わが部屋を振り返ると品の良さとはほど遠い。一つ一つの品の良さと言うよりも物が多すぎるのだ。ほとんどの物が使われることもなく、長い間そこに置かれ眠っている。「いつかは使う」という気持ちで残してあるが、実際には使った験しがない。物を持って旅立つことは出来ないのだから整理しなければと思いつつ、作業が進まない。

さらに思いつきで、製作を始めてしまった。ステンレス素材の部品を使ったTouchPaddleである。こちらは品の良さを心がけた。すっきり仕上がったと思う。回路も改良した。短時間での作業であったが会心の作である。ホームページに載せることにする。

今年も雑多な物の山を抱えたまま、年を越しそうである。