XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ハンダ付け

shig552006-05-09

今日もすっきりしない天気だった。20℃ほどの気温はあるのだが、肌寒いような不快感がある。このところ体調も優れない。喉の痛みがあり、咳をするととても痛い。連休はほとんど出かけられなかったのでその疲れではないはずなのだが・・。

またまた、防犯ブザーの修理がたくさん集まってきた。ほぼ機能を回復させることが出来たが、ほとんどがハンダ付けの不良による接触不良だった。これを作っているところではハンダごての温度管理をしていないのだろうか。十分に流れる前にコテを離してしまっているので、接触不良が起こってしまっている。適当な温度で基板とリード線が同じ温度になり、ハンダが双方に馴染むことが必要なのだが、ハンダだけが溶けてまだ基板やリード線に回り込まないうちにコテを離してしまっているようだ。いわゆるイモハンダである。

おもしろい修理もあった。全く動作しないというのでケースを開けてみるとチョークコイルが取れている。電解コンデンサーもない。コンデンサはケースの中にも見あたらないのだ。これを使っていた人はどのような使い方をしていたのだろう。ケースを開けたとも考えられないので、どうしてこのような状態になったのか不思議である。ただ、基板を見るとリード線のあったとおりに穴が開いているので、よほどのイモハンダであったのかもしれない。それにしても、そのようなハンダ付けでも製造当初は機能していたようだから驚いたものである。

ハンダ付けの技術は単純そうでなかなか奥が深い。今では機械化されハンダ槽をくぐらせるような装置で均一な作業が行われているようだが、ロケット部品のような信頼性が極端に要求されるところでは熟練の技術者によって作業が行われていると聞く。人間の感覚は機械の数値制御を上回ると言うことか。

ハンダ付けは電子回路を組み立てるのにはまだまだ欠かせない技術である。一つ一つの部品を接続し、基板を組み上げていく。そして火を入れたとき思い通りに動作すれば達成感が得られる。もし、そのとき動作しなくてもその原因を探り、あれこれ推理し、完成を目指す作業もまた楽しいものだ。フラックスの香りはまだまだ部屋の中に漂いそうである。