XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

FMラジオキット

小さな基板のFMラジオ

 ネットを彷徨っていておもしろいものを見つけた。送料を含めて300円以下の値段なのだが基板や部品をすべて含んだキットである。こんな値段で本当に使えるものなのか不安があったが何となくポチッとしてしまった。発注から10日ほどで小さな封筒が届いた。
 11cm×7cmほどのビニール袋には基板と電池ボックス、部品が入っていたが、説明書や回路図などは入っていない。ただ、R,C,Diの値が基板に一覧として印刷されている。ICは表面実装のものだが他の部品はスルーホール部品である。基板に部品名が記載されているので組み立てに迷うことはなかった。
 昔のラジオキットとは異なり、コイルもバリコンもない。デジタル処理で受信できる仕組みだ。すべての機能が小さなICで賄われている。組み立ててしまえば細かな調整などの作業はなく、接続間違いがなければほぼ確実に動作する。キット作りも様変わりである。
 しかし、組み上げたのだがどのように使うのかがわからない。基板の押しボタンスイッチに「PSW,VOL-,VOL+,SEEK-,SEEK+」と記載されている。また、4ピンの設定端子がありショートキャップがついている。電源は電池2本を繋ぐようになっている。ただ、付属している電池ボックスは柔な作りで使い物にはなりそうにない。PSWというのが電源スイッチのようだ。電池を入れてPSWを押すとLEDが点灯した。ステレオジャックにイヤフォーンをつけるが何も聞こえてこない。アンテナはどうなっているのだろうと探すと4ピンの脇にASWと記されていた。どうも4ピンの設定端子はアンテナの切り替えのようである。基板のラインを辿ってみると外部アンテナとイヤフォーンをアンテナとして切り替えるようである。中程の2つのピンをジャンパーすることでイヤフォーンをアンテナとして使えるようだ。SEEKボタンを使って選曲をし、VOLを使って音量調整ができる。表示機構が付いていないのでどの局を受信しているのか直ぐには分からない。放送内容から推測して局を探す。一度、特定の局に合わせておけば使えそうである。イヤフォーンでの音量は十分で、音は小さいが外部のスピーカーを繋いでもそれなりに使える。
 
 こんな安価でこれだけの機能を持ったラジオができあがるとは驚きである。部品代だけても考えられない価格だ。唯一このキットの弱点と言えそうなのがハンダ付けが中級者以上と言うことだろう。表面実装ICのハンダ付けはちょっと工夫が必要だ。位置合わせをしっかりして、フラックスを使い、ピンを1本ずつハンダ付けするのではなく片側のピン全体を素早くハンダこてを滑らせる。ブリッジができたらハンダ吸い取り線で補修すればよい。表面実装部品のハンダ付け練習としても使えるだろう。
 おもしろいキットを見つけた。Lucky!!