XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

アルコールストーブ

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一つ作ると次のアイディアが浮かんでくる

 災害時にガスが止まった場合に備えて、料理に使うためにカセットガスのコンロは用意してある。だが念のため、もう一つの備えとしてアルコールストーブを作った。
 ネットで動画を見ている時、ふと気になって見たのが、このストーブの作り方である。アルミ缶を使い、アルコールを効率よく燃焼させる仕組みである。
 よく旅館などで各自のお膳で鍋物を温めるために固形のアルコールを燃焼させるものが使われる。20gから30gの燃料で一人分の鍋をしっかり煮ることができる。結構火力が強く、アルコールも侮れない。それを液体のアルコールを気化させることで強力に噴出させ火力を増す工夫をしたものが紹介されていた。
 ペラペラのアルミ缶であるが、2つを重ね合わせることで強度を持たせ、燃焼室に副室を設けることで気化したアルコールを吹き出す仕組みを作っている。普段資源回収に回しているアルミ缶にちょっとした細工をするだけで調理器具とすることができるのがいい。ありあわせの材料と道具で30分程で組み上げることができた。
 出来上がり、家にあった消毒用アルコールで試し炊きをするが、全く火が点かない。表示を見ると消毒用アルコールは水が混ぜられているとのこと。改めて燃料用アルコールを近くのドラッグストアで入手した。どんな燃焼になるのか不安だったので、念のため庭に出て燃焼させた。しかし周りが明るすぎて炎の様子が見えなかったが、穏やかに燃焼することは確認した。より詳しく燃焼の様子を見るため、家の中に持ち込んで再度燃焼実験をした。点火当初は固形燃料と同じようにちょろちょろと燃えていたが30秒ほどすると開けた穴から炎が勢いよく吹き出し燃焼が安定してきた。400ccの水を約4分ほどで沸騰させる火力であった。

 ライフラインが途絶える事態も想定しなければならない状況である。備えられることはできるだけしておきたいと思う。簡単な工作で調理用の火力が確保できることを体験しておくことも意味があるだろう。なにしろ、資源回収に回す前のアルミ缶をカッターとハサミなどで細工するだけである。燃料用アルコールは500mLで400円ほどで買うことができる。本来はソロのキャンプ用具であるアルコールストーブは大人数の料理をするには向いていない。それでも暖かい飲み物を作ったりカップラーメンのお湯を沸かしたりすることはできる。災害時の最後の手段として備えておくのもありだと思う。手軽にできる工作として試してみてはいかがだろう。
 
 ネットの動画にはさまざまな作り方が紹介されている。それぞれ工夫されているので見ているだけでもおもしろい。いかに効率よく燃焼させるか、さまざまな工夫がみられる。動画では副室の構造、穴の数、穴の大きさ方、穴の位置等々、それぞれの蘊蓄が語られている。1つ作ると改良点が明らかになりもう一つ作りたくなる。ものづくりの沼にどっぷりとつかってしまう楽しい工作である。

 

                   空き缶1本で作るアルコールストーブ PDF