XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ベーゴマ

shig552006-05-01

いよいよ夏日になってきた。今日の首都圏は25度を超える気温になった。街ゆく人も半袖で、シャッツ1枚の人も多い。五月のカレンダー通りの気温変化である。

先日、ベーゴマを手に入れた。現在、川口で唯一作られているという。昔懐かしいおもちゃである。樽の上にシートを張り床を作る。その上でベーゴマを回すが、コマ同士がぶつかり合い、相手をはじきとばすとそのコマがもらえた。強いコマを作るためにいろいろ工夫をしたものである。

今も昔ながらの方法で作られているという。粒子の細かい砂に粘結剤を混ぜ砂型を作り、鋳鉄を注ぎ入れる。冷え固まったところで型を崩し、ガラガラと磨き上げるとベーゴマが出来上がる。

ベーゴマにもいろいろな種類があるようだ。基本的には薄くて重心の低いものが相手を押し出しやすいので強いのだが、平たいが故にひもが巻きにくく回すのが難しい。厚さの厚いものや薄いもの、円形のものや六角形のもの、大きさも大きいものや小型のものなど、また表に書かれている文字も野球の選手の名前や力士の名前、六大学のイニシャルなどさまざまである。

もともと平安時代に京都付近でバイ貝に砂や泥を入れて回したのが始まりといわれている。それが関東に伝わり「バイゴマ」から「ベーゴマ」になったようである。今でも関西では「バイ」とか「バイゴマ」と言われているようである。

心棒のないコマだから回すのにコツがいるが、慣れてしまうと勢いよく回すことが出来る。これが回せるようになることが子どもにとってのステータスであった。技を習得するために毎日毎日懸命に挑戦することは、とても充実し楽しかったと思う。単純だからこそ、いろいろ工夫の余地があり、奥深さがあったようだ。

ヴィジュアルでバーチャルな遊びが全盛だが、このような単純で工夫のしがいのある遊びをもっと子どもたちにさせたいものである。手先の器用さとともに、実物を手にさまざまな試行錯誤から発見するおもしろさが体験できると思う。ノスタルジーではなく子どもたちに残したい遊びである。