XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

マイノリティーリポート

shig552006-04-30

連休二日目。今日も事もなし。朝から公園の散策を楽しめた。先日2〜3㎝だった銀杏の葉が4〜5㎝と大きくなっている。色も濃くなってきた。新緑が濃くなってくる中をゆったりと散歩するのはとても気分のよいものだ。

DVDでマイノリティレポートを見た。2002年の作品だからずいぶん時代遅れの鑑賞である。スピルバーグ監督のSFもの。犯罪予防局という予知能力者を活用したシステムに絡んだ物語である。
物語の中でも課題になっているが、犯罪を未然に防ぐと言うことは犯罪を犯す前の人を拘束することになる。予防拘束だ。
犯罪をなくすことは大事なことである。犯罪=反社会的行為と位置づけると多くの人々にとって困った行為は無くしたいが、一面的な見方だけで判断できる問題ではないのが犯罪である。人それぞれに利害が異なるのが社会であるから、取り決めとして法律があり、そのルールに従って犯罪が規定される。逆に見ると利害が異なることによってマイノリティーとされ、犯罪者の側に立たされる場合もあるのだ。
予知能力者という味付けで物語は設定されているが、何を持って犯罪とするのかの線の引き方が問題になる。かつての日本においても治安維持法や凶器準備集合罪、集会条例など行為以前の場面で犯罪と見なされる事があった。
犯罪の発生原因はさまざまである。犯罪を犯すのはその人であるからその人に責任を帰する考え方が大勢である。しかし、犯罪をその人の行為として規定するのではなく、ある状況の中では人間は犯罪行為を行ってしまうおそれのある弱い存在だとして対処する考え方もある。いわゆる犯罪機会論である。責任を個人だけに求めることも出来ないし、環境や状況にすべての責任があるとも言えないと思う。

物語はこのシステムがその創設者によって悪用されたことをもって、犯罪予防局が解散し予知能力者は静かな生活に戻ったとされている。
兎にも角にも、未来の社会の中でも犯罪行為というものが権力によって力で制されなければならないとされているのだ。人間に英知は、共同生活のための知恵は平和・平安に向けて新たな一歩が踏み出せないのだろうか。