XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

パトリオティズム

shig552006-04-19

花水木の白やピンクの花が咲き始めた。桜とはひと味違った清楚さがある。木蓮の花も濃い紫の花弁を真っ直ぐに立てている。樹木の花は草花とは趣を異にした存在感がある。今日は暖かい春の一日であった。

最近、パトリオティズム(patriotism)という言葉をよく耳にする。パトリオットというミサイルがフォークランド紛争の時に使われ、強烈な印象が残っている。同義語でこの言葉を調べてみると「愛国心」という意味であった。これまでナショナリズムという言葉も「愛国心」と同じように使われていた。しかし、後者は民族主義国家主義国粋主義と訳されるように「愛国心」よりも狭義の言葉である。

教育基本法を改正しようという議論の中で「国を愛する心」を表現するため、政治的な統治主体を言うのではなく国土や文化、伝統、民俗をさすため「祖国愛」といい、パトリオティズムと言っているようだ。「祖国」という言葉には海外から見て自分の国というニュアンスがある。いま自分の生活している国を指すには、「愛国」でよいと思うが、「国」という語の中に国家・権力というニュアンスが含まれてしまうということで議論になっている。
どのような言葉であるにしても、地球人とか世界人などという抽象的な自分はないので、自分の置かれている状況を肯定し、自分の依って立つところを固めて、さまざまな国の人々と相互に尊重し合いながら国際理解へ進むのが平常な道であると考える。

国とは言語であるという考えがある。日本語を母語とする者が日本人であり日本という国を構成するという考えである。私たちは考え、感じ、伝えあうために言語を使う。共通の言語であることは国土や風土、自然と同様、私たち自身を形作るものである。それを肯定し愛することは当然すぎるほど大切なことである。
パトリオティズムなどという外国の言葉でなく、より適切にこのことを表現する言葉はないものだろうか。