XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

Picのプログラム

海棠も咲き始めました。

 あたり一面を桜色に染めていた時期を過ぎ、川の流れには花いかだが淡いピンクの筋を描き、道の端には柔らかな花びらの吹きだまりを作っている。今年のゆっくりとした季節の進行でしだれ桜がやっと咲き出し、八重桜はまだつぼみである。花の季節を長い間楽しめるのはうれしいのだが、天候が穏やかになってほしいと願う今日この頃である。

 10数年も前につくった装置について問い合わせをいただいた。私のホームページに掲載していた作品である。プログラムに関わる問い合わせ内容であったが、環境が変わってしまったことと記憶の糸をたどるのに手間取ってしまった。
 そのころの開発環境はDOSベースだったのである。この10数年でパソコン環境は大きく変化し、何台ものPCを乗り継いできた。OS自体が変わっている。当時、国産のPCはNECが主力で独自のOSを使っていた。フロッピーディスクのフォーマットが1.2Mでその後に出てきたDOS/Vの1.44Mフォーマットとの互換にも苦労したものである。ともかくNEC98シリーズの環境でプログラム開発を行っていたのだ。
 プログラムはエディターでBASIC言語で書き込み、それをMicroEngineeringLabsのMicroBasicCompilerを使ってHexファイルに変換する。それを秋月電子通商のライターを使ってPicに書き込んでいた。エディターにしろコンパイラーにしろ書き込みソフトもDOSのものであった。
 その後、Windows3.1が出てMD-DOSの操作性からだいぶ様子が変わってきた。そして Windows95が出てアップルと同じような操作ができるようになってきた。しばらくはMD-DOSでやっていたのだが操作性からWindowsに乗り換えることになる。するとアプリも入れ替えることになった。Pic関係ではMikroBasicを使ってHexファイルまで作れるようになり、書き込みについても自作が可能なJDMプログラマーやRCDライターを使うようになった。ネット環境が当然のようになってきてソフト関係についてもダウンロードさせてもらった。安価なシステム構築ができるようになったのである。
 WindowsXPWindows7へと変遷し、すっかりこの環境に慣れてしまったのだが、10数年前のプログラムを見直すことになってしまった。何枚ものフロッピーディスクをひっくり返し、1.2Mの読めるディスクドライブを捜しだした。そしてウィンドウズキー+Rという操作とcmdという呪文でMS-DOSの窓を開けることができたのである。
 当時のBASIC言語のプログラムを確認しながらコンパイルを行い、求められていたHexファイルを作ることができた。16F84という当時のPicがまた使えるようになった。ただし現在では16F84Aという型番になり最新の高性能Picよりも高価になっている。そろそろ新しいPicを使ったプログラムにバージョンアップする時期なのだろう。十年ひと昔のお話である。