XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

タヌキを見ました。

最近の冷え込みで街路樹の彩りも豊かになってきた。出勤の時にもコートは着ていないが、スーツだけでは少し寒いと思う気温である。ただ日中は結構気温も上がり上着を脱ぐことも出来るのでスーツでの通勤になる。
いつものように川沿いの道を駅に向かっていた。同じ方向に向かう人々が同じような速さで歩いている。高架になった線路が目の前に見え、もう少しで駅に着くと言うところ。前を歩いていた国立の小学校の制服をした男の子が突然に走り出した。その走っていく先を見ると猫よりは大きい、黒と白の毛並みの長い動物が舗道上をちょこちょこと走って植え込みの中に入っていくところが見えた。一瞬だがその顔が見えた。猫ではない、犬でもない。タヌキである。そう動物園などで見覚えのあるタヌキの顔だ。でも、こんなところで?と近づいていく。すると逆方向から犬を散歩させている女の人が犬に引かれて近づいてきた。「たぬきが・・・・」と言う言葉が男の子と女の人から同時に出てきた。私だけではなかった。少なくとも3人が今、植え込みの中に入っていった動物をタヌキと認識していたのだ。犬の様子も尋常ではなかった。獲物を追うように鼻を植え込みの中につっこみ、リードを持っている女の人はそれを止めるのに苦戦している。

植え込みの中は静かだ。草花の葉がしっかりと茂り中は見ることが出来ない。奥行きは1〜2mだが左右にはずっと広がっている。すでにどこかに行ってしまったのだろう。出勤途中で時間もない。タヌキ探しをすることは出来なかった。

周囲は住宅街である。昔はタヌキが出たという話を聞いたことはあるが、本当にタヌキがいるのだろうか。この場所は駅から100mと離れていない。人間の出す塵芥を餌にするならともかく、自然の獲物があるとは思えない。大きな森があるわけでもない。寝ぐらはどうしているのか。行動範囲が広いのなら小さな林は所々にある。
普段見慣れている街の景色もタヌキの目から見るとまた別の状況が見えてくるのかも知れない。夜行性のタヌキのことだから人間の気づかないところでしたたかに生きているのかも知れない。
さて、次に出会えるのはいつになるかな?