XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

新タマネギ

shig552010-04-24

 寒気団が上空に居座っているようで、天候が不安定になっている。もう少しで5月になろうとしているのに、まだセーターが必要な気温である。雨が降るとコートが必要で春と言うにはほど遠い感じのこの頃だ。
 それでも、陽射しは日一日と強くなっている。また、日の出が早くなり、夕方は6時でもまだ明るさが残るようになった。

 ちょっと足を伸ばして農産物販売所に行ってみた。このところ天候が不順で野菜が値上がりしているので大変な人出である。心なしか並べられている野菜の数も少ないよう感じる。見て回ると、さすが新鮮な葉物野菜が並んでいる。スーパーなどで買うよりも安い値段だ。葉物は新鮮さが命なので、大量に買うことはできない。とりあえず使うだけ購入するしかない。それでも、すぐに茹でたりして下処理することである程度は保存が効くので、多めな購入になる。
 新タマネギが出ていた。スーパーでも見かけたのだが、ここのタマネギは収穫したてのように瑞々しい。普通タマネギは長期間保存するためにしっかりと畑で成熟させ、収穫後も陰干しされ表面の皮が茶色くなった状態にされる。新タマネギはまだ表面の皮が茶色く乾燥していない状態で収穫したものある。だから、タマネギが成熟してきた収穫前のごく一時期しか手に入れることができない。
 新タマネギは瑞々しく、水分をたっぷりと含み、辛さが少ない。生のままサラダに入れたり、スライスして鰹節と醤油で食べたり、その甘さを楽しむのが一般的である。
 今回、手に入れた新タマネギはその甘さを生かすために、別の食べ方をしてみた。タマネギは熱をくわえることで甘くなるので、オーブンで焼いてみた。表面の皮だけを取り、四つに切れ込みを入れて強火で約10分焼いた。甘い香りが漂ってくる。何ともうまそうである。焼き上がりにドレッシングをかけていただいた。生で食べるより、ずっと甘さが出ている。予想以上のうまさである。香りもいい。一個をぺろりと食べてしまった。
 食べ物には旬があるのだが、一年中食べているタマネギにも旬があるということを改めて知った次第だ。普段食べているのも、それなりにおいしいし、さまざまに使っているのだが、新タマネギとしてこの季節だけに食べることのできる味わいは格別である。旬を味わうとはこのことである。

 アイスランドの火山噴火による噴煙の影響で欧州の航空路が麻痺をしているという。人の交通だけでなく物流に大きな支障が出た。花の流通はオランダが世界の中心になっているようで、その航空路が動かないことにより花の流通にも支障が出ているとのことだ。新鮮さが求められる生花も世界規模で流通していることに驚かされたが、食料についてはそれ以上にグローバル化が進んでいる。季節に関係なく、旬に拘らず、さまざま食材が手にはいるのだが、その土地の旬の食材をいただくことが一番のご馳走のように思うのだ。高級な料理と比べても、今日収穫し、シンプルに調理をした旬の食材は優るとも劣らない味だと思う。
 新タマネギ焼きはほんの僅かな時期にしか味わえないお勧めの味である。