XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

3.11メモリアルQRVイベント

自作電鍵で世界を結ぶ 

 もう少しで「あの日」が巡ってくる。もう3年も経ってしまったとも言えるが、まだ3年前のことだったとも感じる特別な日である。あの日からさまざまなものが変わった。数多くの人々が亡くなり、いまだ行方不明で家族のもとに帰れない人がいる。インフラが破壊され、街がなくなった。原発事故の影響で帰還できない人もいる。
 今日の続きに明日があるという保証はどこにもないことを実感させられ、今置かれている状況の儚さと共に、「今、このとき」の大事さを思い知らされた。
誰もが、さまざまな場面で「あの日」と向き合っている。あの日のことは忘れることはできない。趣味の世界ではあるが私の関わっているアマチュア無線のクラブでもイベントを行う。『3.11メモリアルQRVイベント』である。

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まもなく「あの日」から丸3年になります。
A1CLUBでは2011年3月11日の東日本大震災を記憶にとどめ非常時に備えた通信手段としての無線設備およびCW通信技能の維持を目的として、3.11メモリアルQRVイベントを開催します。
   

  • 日時:3月11日を含む1週間
  • 2014年は3月9日(日)〜3月15日(土)
  • 交換する情報:RST+001形式通し番号
  • 呼出し: CQ 311 (1はAと省略してもいい)
  • 電波形式: CW (A1A, F2A)
  • 推奨周波数:各バンドの *3.11KHz付近
  • (例 3523.11, 7013.11, etc.)
  • 交信対象: 全アマチュア局

 津波によって電源設備が流され、通信網が壊滅した。便利なはずの携帯電話は基地局が破壊されたり、非常用電源を使い切ってしまったりでほとんど使用できなかった。電源を内蔵したものなら小型のトランシーバーでも情報収集に役立つということがわかり、JARLが呼びかけて被災地に向けて数多くのハンディートランシーバーが持ち込まれた。それも一台一台に局免許をつけて、メーカー等から寄贈された機器に、皆で持ち寄った電池をセットにして手から手へと被災地に届けられた。情報伝達ができることで救助活動に役立ったという。
 公共の資源である電波を使わせてもらっているアマチュア無線として災害時には率先して役立ちたいと思う。今回のイベントは全世界を相手にしている。電信というシンプルな通信手段は小さな設備で遠距離との交信が可能だからだ。電池やバッテリーでも国内は十分にカバーできる。災害時を想定した設備条件で、互いに信号をやりとりし、自らの訓練としたい。そして、「あの日」のことをいつも胸に秘めて毎日を大事にしていく契機としたい。