
これまで作ってきた3バンド仕様アンテナの派生である。基本の周波数14MHzに合わせて約5m長のエレメントにローディングコイルを付加することでマルチバンドにしてきたのだが、全長5mというのは手持ちの釣り竿を使うという前提があったからだ。5mはちょうど扱いやすい長さなのだが、この制約を外したらどうだろうかと考えた。
もっと長い釣り竿を使ったら、または立ち木などを利用して上から吊すように設営したら5mよりも長いバーチカルアンテナができるのではないか。14MHz用に5mほどのエレメントを使用し、そこに2mほどのエレメントを継ぎ足せば10MHzでの運用ができる。この接続点にローディングコイルを入れれば7MHzや3.5MHzでも使えるのではないかという構想である。
早速実験をしてみた。カウンターポイズはこれまでと同じ3m長のラインを3本束ねたものを展開した。14MHzでも10MHzでも良好な整合を得ることができた。そこでこの接続点に7MHz用のローディングコイルを挿入する。フイルムケースを活用しおおよその巻き数で設置し測定してみると7MHzに近いところの整合点が得られた。巻き数を調整して最良となる巻き数22Tを見つけた。これに追加して3.5MHzで整合するような巻き数を探っていく。他のバンドよりも整合は良くないのだがどうにか使えそうな整合点に追い込むことができた。追加の巻き数は48Tだった。つまり3.5MHz用のローディングコイルは22T+48Tで70Tとなった。巻き数は概ね使いたい周波数の近くにしておけば微調整は巻き方の粗密である程度追い込むことができる。何度もの試行錯誤が必要だが、こうした作業はものづくりの面白さである。
バンドの切り替えには中点オフの双没トグルスイッチを使った。下側のエレメントを中点に接続し、一方を7MHzのコイルと接続、もう一方を上側エレメントと接続する。こうすることでスイッチの切り替えで10MHz、7MHz、3.5MHzの切り替えができる。14MHzで使用するときにはこのコイルと追加のエレメントを外せばよい。3バンド仕様の時は14MHzのエレメントの途中にローディングコイルを置いたが、今回は14MHzのエレメントの端にコイルを置いたのだ。4バンド対応のバーチカルアンテナにすることができた。 XRQTechLabのページ
全体の長さが7mほどになってしまうが、3.5MHzもで使えるのはメリットだと思う。また他のバンドでもエレメント長が伸びたことで多少放射効率が良くなったように思う。コンパクトに纏まるアンテナで野外運用を楽しみたい。