
公園などで移動運用をするとき大きなアンテナは周りの人の迷惑になるので使うのが難しい。ベンチに座って運用する場合、周りの人に威圧感を与えないように配慮する。アルミワイヤーを使ったMLAは直径70cmほどなのでそれ程大きなアンテナではないのだがその形が珍しいのか結構目立ってしまう。目立たないアンテナを模索してきた。
ワイヤーMLAは210cmほどの3mmφアルミ線をループとして使っている。木の枝に吊すなど樹木の中に入ってしまえばあまり目立たなくなる。それでもループということで目を惹いてしまうのだ。そこでこれを1本のエレメントとして使えば景色の中に紛れ込むのではないかと考えた。ホイップアンテナである。ホイップアンテナとしては普通、テレスコープ状の伸縮できるものが使われているが、機能的にはアルミワイヤーでも同じである。収納が伸縮ではなく輪のように巻いて仕舞うという違いだ。アルミワイヤーは携帯にも便利なのだ。
ホイップアンテナはエレメントとしては短すぎて、使用する周波数の波長に合わせた長さを取ることができない。そこでチューナーで整合を取り無理矢理電波を乗せることになる。そのため効率は望めないが取り敢えず送受信ができるという位置づけだ。210cm長のアルミワイヤーを使って状況に合わせてMLAとしてもWhipとしても使おうという算段である。
チューナーはMax230pFのポリバリコンとT50 #2のトロイダルコアを使った。コイルの巻き数は21Tと3Tとし、3T側をBNCコネクタでリグに接続している。カウンターポイズとホイップアンテナの接続部にはバナナプラグ・ジャックを使った。アクリル板を加工してこれらをまとめている。カウンターポイズは3m長の線を3本束ねたものを使った。この構成で7,10,14MHzで整合点が得られた。
庭先で運用をしてみた。樹木の枝にアルミワイヤーの先端をカギ状に折り曲げ引っかけて設営する。カウンターポイズをできるだけ広げて伸展する。その状態で整合状態を調べてみると各バンドでSWR2を下回っていた。移動局などの信号が聞こえてくる。呼びかけてみるが交信には至らなかった。MLAとの比較では若干ホイップの方がノイズが大きいようで、MLAよりも受信感度は劣る感じである。電波の飛びはEFHWなどと比べれば期待できななかったのだが、その後1局と交信することができた。
期待したほど電波が飛ばなかったので、後日、アルミワイヤーの代わりに5mのワイヤーを付けてみた。運用を始めるとすぐ数局の移動局と交信でき、電波の飛びが向上したことを確認した。やはり、エレメント長が波長に近づくほど放射効率も良くなるようである。 XRQTechLabのページ
このホイップアンテナのメリットはステルス性である。設営してしまえば樹木の中に紛れてしまいほとんど気づかれない。そしてコンパクトであるので携帯や取り回しが容易である。また、製作が簡易で材料さえそろえば小一時間でできてしまう。適当な長さのワイヤーを持参して状況が許されればランダム長アンテナとしてより飛びの良い運用が出来そうである。
春の足音がだんだん近づいてくる。小さなリグとアンテナをザックにいれて里山に行くのが楽しみになっている。