XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

巻き結び 改

巻き結びの変形なのだが・・・・

 ロープの途中に杭などを固定するときによく使われるのは巻き結びだ。二つの輪を作ってその輪を交差させるようにして杭に差し込めば結ぶことができる。便利な結び方なのだがロープにテンションが掛かっているうちはしっかりと結ばれているが、テンションが緩むと結びも緩んでしまい杭から抜けてしまうことがある。結び自体でしっかりと杭を握ってくれる結び方を探していた。
 ロープの両端は何かに固定されていて、ロープの途中でものを固定する結びである。フェンスのように杭を何本も立ててそれらをロープで繋げたり、縄ばしごのように何本もの棒を間隔を置いてロープで繋いだり、船を係留するときに長いロープの途中で杭にロープを繋いだりする時を想定した結びである。
 
 <結び方>
  簡単な結びなのだが、しっかり棒などに巻き付けてずれにくい結びである。
 ロープを棒に1回巻きつける。写真の矢印の部分(棒の端に近い方のロープの交差したところのすぐ外側)をつまみ、もう一方のロープを跨ぐように引きながら半分捩じって棒に被せる。そして左右のロープを引くとしっかりと締め付けることができる。
 ロープが交差し、さらにその上を棒を巻いたロープが押さえる構造になっているため、結び目がしっかりと棒に巻きついている。通常の巻き結びよりも解けにくいことが確認できると思う。ただ棒に巻き付いているだけなので、棒を抜けば何の結びめもなく解くことができる。<結び方 pdf>

 ロープで手慰みをしている時偶然この結び方を見つけた。もっとも、先人がさまざまな場面で使っていて名前もついているのだろうが、私にとっては初めての出合いであった。簡単に結べて解くのも容易な結びだが、慣れないとどこを持って半捻りするのか迷う。何度も繰り返し、棒に巻く方向を変え、さまざまな状況でもロープの捻り出すところを覚えるのに時間がかかった。どこをつまみ出すかで全く異なった結びになってしまう。確実に棒に固定する結びになるよう習練が必要である。

 1本のロープでも扱い方は奥深い。互いに絡まりあいながら締め付け、固定されている。その中で有用な結び方が人々に利用されているのだが、日常の生活ではほんのわずかな結び方で間に合っている。それでも、場面場面で使いやすい結びがあるはずだ。今回出合った結び方は私のレパートリーの一つになるだろう。