XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

V bandを使ってみた

Leonardoでパドル・電鍵アダプター

 

 VBANDと言ってもスマートウォッチではない。況して化粧品でもiPhoneのアプリでもない。Ham Radio Solutionsが提供しているインターネット上のコンテンツである。

 A1クラブのメーリングリストで話題になっていたので、覗いてみたのだ。
 このサイトには「このプロジェクトは、CWを学びたい(またはもう一度学びたい)と思っていましたが、互いに交信し練習するための設備を持っていなかった2人の友人によって作成されました。現在の電信の技術レベルでは電波に乗せるには少し恥ずかしかったのです。そのためインターネットを使いキーボードでモールスコードを送信できるようにしました。もちろん、普通のパドルが使えるようにするUSBパドルインターフェイスをストアで提供しています」と記されている。
 実際に電波を出すことなく、インターネット上でモールス符号の送受信をして練習ができるサイトである。当然、QSBもなく、いつもクリアに信号が聞こえ、混信することもない。サイトにはいくつかの部屋が設けられているので、その部屋に入れば、誰とでも交信することができる。モールス符号でやり取りするところが普通のチャットと違うところだ。
 私も最初は使い方がわからず、キーボードボタンをいろいろと押しているうちに、キーヤーの短点と長点を出せるようになった。しかし、思い通りに符号を生成することは難しい。やはりパドルを使いたい。
 このサイトのストアーを見るとUSBパドルインターフェースが売られている。USAなら$30とのこと、他の地域については要問合せだという。キーボードの特定のボタンとパドルを接続するだけなので、自作できるのではと情報を探した。すると、ArduinoUNOでもOSを入れ替えれば使えるということが見つかったが、なかなか面倒そうである。ArduinoUNOはPCに接続してもUSB機器として認識されないことがネックのようだ。そこでUSB機器として認識されるLeonardoというArduinoの仲間を使うことにする。アマゾンで1500円で購入できた。スケッチはOZ1JHMさんが作られたものが公開されている。これを使わせていただき、IDEからLeonardoにスケッチを書き込み、パドル操作でサイトのIambicキーヤーを操作できるようになった。なおこの装置はモード切替機能を持っていて、パドルではない普通の電鍵操作にも対応している。
 このサイトには練習の部屋があり、インターネットで他の人とではなくロボットを相手に交信の練習をすることができる。符号の速さもこちらに合わせてくれる。人を相手にしているのと異なり、話題が限定されてロボットとのやり取りは難しいこともあるが、それなりのラバースタンプQSOをすることができる。 
 さて、実際の交信だが部屋に入っていると誰かが入室してきて呼びかけてくれる。インターネットなので誰から呼びかけられるかドキドキだが、モールス交信の度胸をつけるには結構楽しい。また、モールス符号なので和文も打てる。ただしデコーダーは和文に対応していない。チャンネル5,6にはデコーダーが使えない部屋が準備されているのでQOD6を指定して入室すれば和文によるチャットも可能だ。
 アマチュア無線の交信とは異なったものなのだが、モールス符号を用いたコミュニケーションとしてこのサイトを利用させていただくのもなかなか面白いと思った。

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