XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

庭先移動運用

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コンパクトな設備で庭先移動運用

 

 このところ天候があまりよくない。そのせいではないだろうが、伝播の状態も芳しくない。ダイヤルを回してもノイズだけで交信が聞こえてこないのだ。
 この日は久しぶりに晴れた。朝から青空が広がっていた。気分よく一日が始まる。野外で運用したい気分である。しかし、コロナ禍で行動自粛が叫ばれている。もう長い間食料買い出し以外の外出をしていない。爽やかな風を感じながら運用をしたいものである。そこで、部屋を出て庭先で運用することにした。
 持ち出した設備は以前ブログで「クイック設営、クイック撤収」で扱ったトップ・ベースローディングのバーチカルアンテナとQCX-miniである。電池はリチウム電池3本、出力は2W程度だろうか。このような貧弱な設備でどの程度の交信ができるかチャレンジである。
 40mバンドを覗くとこの日は結構にぎわっていた。ワッチをしていくとコンテストが行われているようである。これなら交信ができるかもしれない。1エリア(関東管理局管内)の近隣局は聞こえていない。3エリア(近畿管内)や4エリア(中国管内)8エリア(北海道管内)が聞こえている。強力に聞こえている局に呼びかける。なかなかこちらの呼びかけに気づいてもらえない。繰り返し読んでいると「JA1?」というコールバックがある。繰り返してコールサインを送るとやっととってもらえた。コンテストナンバーを交換して交信成立である。岡山の局であった。その後大阪と兵庫の局とも繋がったが、こちらのシグナルが弱いので、コールサインが一文字違ってコールされ、それを訂正するという手間を取らせてしまった。このような貧弱な設備では相手局に迷惑をかけてしまうのだが、その不安定な信号にも根気強くお相手いただけることに感謝である。北海道の局にも呼びかけたのだが、「JA1?」とコールバックされるが、なかなかサフィックスを伝えることができず、相手局から「SRI CU」と打たれて、交信をあきらめざるを得なかった。
 ほんの30分ほどの運用だったが、掌に乗るようなシンプルな設備でも交信することができた。
 その後、庭先での運用だったので家の前を通りかかった方から「無線をやっているのですが?」と声を掛けられた。通りから丸見えの庭で釣り竿を伸ばしてこちょこちょとやっているのだから不審に思われても仕方がない。それを無線と気づかれたのだから同好の士であろう。話をすると近隣のハムであった。コールサインを聞くといつも強力なシグナルを送っている局の方だった。マンションの高層階から100Wで運用されているとのこと。コロナ禍が収まったらゆっくりお会いしましょうと短時間のアイボールだった。
 その方の話から、素晴らしい設備で運用されていても、伝播コンディションの影響は大きいとのことだった。QRPはまさにコンディションの影響を受けるのだが、今日のようにコンテストなどで多くの局がお空に出ているときには結構楽しめるものである。 ”それでも電波は飛んでいく”ということを再確認した庭先移動であった。