動画サイトを探すとロープワークや結びといった結索法がたくさん紹介されている。糸や紐、コードやロープなど、互いを絡み合わせて繋ぎ合わせる方法である。結びはその多くが結ばれた部分に力が加わることで互いを締め付け、密着する構造になっている。結ぶ素材はさまざまだが、それをどのような手順で操作するかが興味を惹くところである。
本結びという基本的な結びでは両方の端をU字に折り返えし互いを輪の中で交差させるように組み合わせる構造である。普通は両手で紐の端を持ち、交差させ、更に内側同士が接するようにそこにできた輪の中を通すことで結んでいる。言葉で書くとわかり辛いのだが、日常の中では無意識のうちに行っている。結ぶという手順を身体で覚えているのだろう。
繰り返し繰り返し手順を練習することで結ぶ動作が出来ている。例えばロープの端に身体を固定する場合にもやい結びが使わる。登山や救助の場面などで、素早く確実に結ぶ方法である。自分の身体にロープを回し、その端をもって長い方のロープに手首ごと巻き付け、一度端を持ち換えて手首に巻き付いたロープから端を引き抜くともやい結びができている。ほんの数秒で結ぶことができる。このもやい結びは「結びの王様」とも呼ばれている
この結びの手順で、最近手品のようなものを見つけた。手のひらにロープを3回巻きつけ、一回だけその位置を動かし、その巻きつけたうちの一つを指先でつまんで引くともう結べているというものだ。ロープの途中に輪を作る結び方で、「中間者結び」「アルパイン・バタフライノット」「バタフライループ」「ラインマンループ」などと呼ばれ、とてもしっかり結べてロープの途中にありながら出来た輪の大きさはロープを強く引いても変わることがない。因みにこの結びは「結びの女王」とも言われている。」
この結びは通常、ロープの途中を2回捩じって2つの輪を作り、輪の先端をそのロープに近い方の輪の中をくぐらせることで結ぶ。ロープを引くことで輪の根元がしっかりと締まり所期の機能を果たしている。
この結び手順を手のひらを使って行うことで手品のようになるのだ。詳しいやり方についてはこちらpdfを見てほしい。
生活の中で生み出されてきた結びはそれぞれの文化的な背景があり、農作業や狩猟、牧畜や造園、搬送や収束などさまざまな場面で伝承されてきたものだ。そのどれもがきれいな構造を持っている。また、どのように結ぶかという手順も伝承されている。同じ結びでも手順が異なると異なる名称であることもある。手元にあるコードで手軽に楽しめる文化遺産である。