XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

Simple SWR

Simple SWR

 緑が濃くなり、小さなサクランボを付けた並木の道を歩いていた時、キジバトに出合った。最近、キジバトは数を増やしているようでいろいろなところで見かけるのだが、この鳩には見覚えがあった。頭のてっぺんの羽根が立っているのだ。まだ幼鳥なのかも知れないが特徴のある顔である。我が家の庭で仏壇のお下がりのご飯を撒くと、どこからともなくやってくる鳩である。きょとんとした目でこちらを見ているが、鳩の表情はわからない。カラスは個人を識別するというが、鳩にはその能力はあるのだろうか。
 
 ワイヤーMLAの実験を続けている。同調点がシビヤなので苦労している。調整にグラフ表示のアナライザーを使うと分かり易いのだが、結構、重量がある。もっと軽量でコンパクトなもので表示できないかと考えていた。
 そこで試したのがSWR計をシンプル表示にすることである。QRP仕様とし、使う周波数帯に限定すること、また、大きなメーターではなくLEDやラジケーターという簡易メーターを使う方法である。
 表示器の入出力を直結とし、そのラインをピックアップのためのトロイドコアの穴に通し、コアに巻いたコイルから進行波(FWD)と反射波(REV)のデーターを取ることにする。この回路をアンテナ回路に挿入することで、多少の減衰は生ずるだろうが、目を瞑ることとする。運用時にもアンテナ回路のSWR状態を監視する機器である。
 まず、LEDを表示器として作ってみた。REVが消灯し、FWDが明るく点灯するよう調整することはできるが、REVの消灯範囲が結構広い。どこが最良点なのか見極めるのが難しかった。
 次に試したのがREVの電流をラジケーターで表示する方法である。LEDを点灯させる電流よりも小さな電流で動作するメーターである。全く振れなくなるようにすることはなかなか難しい。つまりMLAのキャパシター調整が微妙に出来るのだ。キャパシターの増減を何度もやりながらメーターが振れなくなる点を見出すことができた。LEDよりも使いやすいと感じた。
 ラジケーター表示の感度がよい分、大きな電流を流しすぎないよう注意が必要である。受信状態でMLAのキャパシターを調整し、雑音が一番大きくなりように調整しておくとREVの電流も小さくなっているはずである。そこからさらに最良点に追い込んでいくためにこの機器を使うようにする。
 EFHWなら20mから9mの長さが必要なのに、MLAでは直径70cmほどの輪に電波を乗せて送り出すことができる。放射効率ということではあまり電波の飛びを期待することは出来ないが、MLAの利点はコンパクトで、ワイヤーアンテナに比べて周囲の影響を受けにくいことである。予め調整して車に乗せておき、現地でそのまま吊せば、即、運用可能だ。その際の微調整の補助具として、この機器を活用したい。