XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

体感

アーチェリーの競技

 耳で聞いたり、本で読んだりしただけではわからないことがある。実際に触れることで初めてそのことの理解に近づくという意味である。
 大江戸線光が丘駅の通路、商業施設から駅に向かう階段を下りたところに、車いすに乗ったアーチェリーの選手が弓を構えている大きな写真が掲示されていた。オリンピックが終わり、惜しくも女子団体がメダルを逃し8位入賞した。その時の緊迫した試合が記憶に残っている。それを思いだし、パラリンピックへの応援ポスターかと思った。ところが、通路を進んでいくと的が目に入ってきた。射手の写真があったところからでは気づかなかったのだが、122cmの的が壁に貼られていたのだ。
 アーチェリーは的まで70mの距離で行われ、矢は直線ではなく弧を描くように飛ぶと言うことは知っていた。実際ここの掲示が70mを正確に示しているのかどうかは不明だが、それに近い距離があるように思う。この距離を矢が飛んできて、的の中の10cmの円の中に当たるということが実感としてわかった瞬間である。
 地下の通路に入ってきた時、的の存在に気づかなかった。それほど的は小さく見え、遠い位置である。パラリンピックでは障碍の状況により50mでの競技もあるというが、それでも体感的にはすごい距離である。選手は精神を集中し、風などの影響を考慮し、矢の飛ぶイメージを考えながら的を射る。その技量のすごさをこの通路を歩きながら実感した。

 閑話をもう一つ
 光が丘にはもう一つ実感に近い体験ができるものがある。夏の雲公園から光が丘公園への通路の途中、月見橋の手前に太陽系のオブジェがある。
 太陽を表す円の周りに、同心円状にタイルは設置され、太陽系の惑星の軌道が表されている。太陽に近いところから水星、金星、地球、火星・・・と並んでいるのだがそれぞれの惑星の大きさに比例した球体の一部が顔を出している。太陽からの距離、そして惑星の大きさを図鑑ではわからない存在感として感じることができるオブジェである。木星の大きさに驚き、海王星の軌道の大きさに驚く。
 
 知っていることとわかることの違いを感じた出来事であった。