XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

夏みかん

三ヶ日の夏みかんとレモン

 浜名湖の周りを巡ってきた。通過するだけでなかなか立ち寄る機会がなかったところである。舘山寺に詣で、汽水湖の香りを嗅いできた。チャートが露岩しているところできれいな茶色の石を拾った。
東海道に面している地域だが、近くに東海道脇往還姫街道というところがある。西気賀駅の近くに「気賀関所」の跡が残されている。内容的には箱根など他の関所と似ているように思えた。
 その隣に、農産物販売所があった。朝から地域の方がたくさん買い物に訪れていた。素朴な品揃えで、地域で出来たものをそのまま並べている雰囲気である。ミカンで有名な三ヶ日がすぐ近くなので柑橘類が多く並んでいる。見て回っていると、中年の方から声をかけられた。「これを毎日ジュースで飲んでいる。酸っぱいけれど美味しいよ」とのこと。夏みかんである。ごつごつした肌で、日に焼けたような斑もあり、見てくれはよくないが新鮮そうである。その隣には大きさの不揃いなレモンもある。庭先に実ったものを出荷したような雰囲気が感じられる。
 素朴さに惹かれて、その夏みかんとレモンを購入して帰京した。夏みかんは懐かしい味である。まだ甘夏が現れる前、この夏みかんに砂糖をつけて食べていた。子供の頃の記憶には強烈な酸っぱさしか残っていない。しかし、今ではこの酸っぱさがおいしい。そのまま食べるよりも、サラダに加えて、ドレッシング代わりに味わう。ヨーグルトの乗せて蜂蜜をかけていただく。マイルドな味になれているなかで、この酸っぱさはちょうどよい刺激になる。
 レモンは香りはあまり強くないが、爽やかな酸味はフライや焼き魚にかけるのに、最適である。冷えた水に落としてフレーバーウォーターにしても美味しかった。料理の添え物としていろいろな場面で活躍してくれた。
 地のものに出会えるのは旅の楽しみである。観光用に用意されたものではない地域の人たちの生活の中にある何気ないものに出会う、そこからその地域の特色を垣間見ることができる。駆け足ではあったが楽しい旅であった。