XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

梅のコンポート

梅”織姫”のコンポート

 関東地方も梅雨入りが宣言された。晴れ間が多かったのであまり気にしていなかったが、梅雨という言葉を聞いた途端、空の色がどんよりとしたものに感じられる。
農産物販売所を訪れた。季節毎に作物が変わっていくところがおもしろい。定番の葉物や人参、大根、ジャガイモ、タマネギなどは値段が変化し、その旬を教えてくれる。一定の期間だけしか目にしない作物もある。新タマネギは瑞々しさが持ち味である。薄くスライスして食べたり、そのまま焼いて甘さを味わう。春キャベツはもっこりとした形がおもしろい。
 今回見つけたのは梅である。この時期にしか顔を見せないのだが青々としたはち切れんばかりの実はきれいだ。実は家の庭にある梅を先日収穫したのだが、小さな木なので収穫量が少なかった。梅酒につけ込んだが、梅のみが少なすぎるかなと気に掛かっていた。そこで、梅酒の瓶に梅の実を追加すべく購入することにする。”南高梅”という大きな実がある。いかにもうまそうだが、家の梅と比べてあまりにも立派すぎる。その隣に”織姫”と記された小振りな梅が置かれていた。色は緑ではなく、熟したような黄色みを帯びている。柔らかそうな梅である。梅酒には若い、堅いくらいのものが良いと言われるが、この梅で試してみることにする。
 家に帰り、織姫を梅酒の瓶に追加したのだが、量が多く残ってしまった。そこで、農産物販売所の梅の棚に作り方が掲示されていた「白ワイン煮」に挑戦してみることにした。砂糖を加え、梅を白ワインで煮るだけである。30分ほど煮ていると部屋中がふくよかな香りで満たされる。アルコール分はすべて揮発してしまったのだろうが梅とブドウの混じった美味しそうな香りだ。梅は柔らかくなりシロップが大量に出来ていた。
 添加物を加えていないので、冷めたところで梅の実は瓶詰めにして冷蔵庫へ。シロップは濾して同じく冷蔵庫へ入れておく。味見をしてみると、実は酸味が強いように思うが爽やかである。シロップもワインとは別物の味になっている。水やソーダで割って飲むと良さそうだ。
 翌日、実を食べると酸味がまろやかになり美味しい。ヨーグルトのトッピングに使える味になっていた。梅のコンポートは手軽に出来、シロップも楽しめるのでお勧めである。