XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ブレンドを楽しむ

たっぷりと実った稲穂

 先日、母の郷里の親類から新米を送ってもらった。「粘りがあり、冷めてもおいしいお米なので是非食べて欲しい。」とのことだった。早速、炊いてみると特徴の際だった米だった。粘りけが強く、まるで餅米のよう。通常の水加減で炊いたのだが、柔らかくてふくよかな香りがある。味も飛び出したところがなくとてもおいしかった。弁当にも持って行ったのだが、しっかりまとまってはいるが食べやすく、パサパサしたりベチョベチョになったりせずご飯のおいしさを保っていた。
 何日間かこの新米をいただいていたのだが、だんだんにその粘りけが気になってきた。餅米のような食感に飽きてきたのだ。おこわは好きでよく食べているが、やはり毎日食べるとなると普通の白米がいい。特徴がなくてもおいしいご飯がほしいのである。

 日常の食事では、口中賞味という食べ方をすることが多い。ご飯と副菜を一緒に口の中に入れ味わう。さまざまな組み合わせで味の変化を楽しむことができる。ここではご飯が重要な位置付けになっている。ご飯と組み合わさることにより副菜の味が強調されたり、辛さや苦みが緩和されたりして総体的なおいしさを楽しむことができる。だから、ご飯は飛び出した特徴よりも他の食材との調和が取れるおいしさが大切なのだ。

 これまで一つの銘柄をずっと食べてきたのだが、このミルキークィーンを食べたことで銘柄による味や食味の違いに衝撃を受けた。
 銘柄について調べてみると「産地、品種、産年」を3点セットとして米穀検査を受け、流通しているのだそうだ。また、単一銘柄米とブレンド米といわれる複数銘柄米があるという。それぞれの特徴があり、販売表示にもこれら情報が明記されている。
 さて、ミルキークィーンに衝撃を受けた後、これまでのご飯に戻ろうと考えていたときに手元に他の銘柄米があったことに気が付いた。何かの引き出物で小分けしたブランド米の詰め合わせをいただいていたのだ。
 銘柄毎のおいしさを堪能したところで、自分でブレンドをしてみることを思いついた。それぞれの特徴を考えながら、それぞれの割合を変えて炊いてみる。思い通りの食味であったりおいしさに出会ったりすることを楽しんでいる。
 専門家がいろいろな銘柄米を組み合わせたブレンド米も市場に出ている。さすがに専門家が丹誠を込めて組み合わせているのでおいしい。しかし、毎日の食事を楽しむのだから幾つかの銘柄を少量ずつ購入しておけば自分でブレンドをすることができる。よい結果ばかりが得られる訳ではないが、失敗したとしても十分おいしく食べられるご飯である。
 コシヒカリササニシキ、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、ゴロピカリ、キヌヒカリ、あさひの夢・・・・さまざまな銘柄米が販売店の棚に並んでいる。品種だけでなく産地や産年によってもその食味が異なるのが米だ。ワインを選ぶのと同じように気に入った銘柄やブレンドを試してみるのも楽しみの一つである。
 こんな楽しさに気づいたのもミルキークィーンを送ってくれた親類に感謝である。