XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ものの価値

100均のUSBアダプター

月が変わり、急に寒さが増してきた。上着の他にマフラーなどが欲しくなる気温である。各地から初雪の便りも聞こえてきた。ニュースでもホットビズが話題になっている。冬が近づいてきた。

「安物買いの銭失い」とはよく言ったものである。値段につられて購入したものがしっかりと機能してくれればよいのだが、期待したように機能をしてくれなかった場合、いくら安く購入できたとしても、使えなくては無駄になってしまう。
100均ショップには本当にたくさんの種類のものが並べられており、「これで採算が合うのだろうか」と思えるようなものを見つけることも珍しくない。先日もふらっと立ち寄ったお店でおもしろいものを見つけた。マイクロSDをUSBに変換するという装置である。携帯電話やデジタルカメラなどでよく使われるようになったマイクロSDであるが、通常はアダプタを使ってカードリーダーにいれてパソコンに繋いでいる。もし、この変換器で直接USBに接続できたら便利である。
「この値段で大丈夫だろうか?」という思いも一瞬よぎったが、購入して試してみた。8Gまでの容量のマイクロSDに対応しているとのことなので、手持ちの8Gのカードをセットしてパソコンに接続する。しっかりと認識をして機能している。気をよくしてあちこちに散在している画像データをこのSDに入れることにした。約1万枚もの写真をこの小さなUSBメモリに収納することができ、「なかなか言い買い物をした」と満足していた。
携帯性がよいのでいろいろなところでこの画像データを活用していたのだが、ある日突然この変換器USBメモリが認識されなくなってしまった。接触不良なのだろうかとマイクロSDカードを取り出し、通常のSDカードへのアダプタを使用しPCに繋いでみたが、認識してくれない。SDカード自体が壊れてしまったようである。何回もトライしてみたが、ときどき認識されると「このカードはフォーマットされていません」と警告が出る。データはあきらめることにしてフォーマットを実行すると途中で止まってしまう。やはりカードが壊れてしまったようだ。
この変換器を分解してみるとUSBへの接点は基板の上にランドを作ってあるのみである。
他のUSBメモリや接続ケーブルの接点を見てみると、接触を確実にするよういろいろ工夫がしてある。些細な違いだが、微妙なデータを扱うものなので、接触が確実の行われなかった場合、不安定な信号が流れてしまうことがあるのだろう。パソコン側のコネクタでも経年変化などで変形していることも考えられる。市販されている品物はこの危険リスクをいかに減らすかが大きな鍵になり価格との整合をとっているのだと思う。
今回は別に保存してあったデータをコピーしたものだったので、このような事故にもあきらめがつくが、もしリカバリーのできないデータだったら恐ろしいことになっていた。
ものの価値はその機能がしっかりと安定して得られるかが大事なので、値段にだけとらわれず冷静に見極めなければと思い知らされた。
100円ショップを利用するにしても、そのものの本質を見極める目が必要であり、一見良さそうだと思えるものでも、安さだけに釣られるのは危険である。当たり前のことを再認識した出来事であった。