XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

100VでLED

shig552010-03-03

 三月になったが、すっきりと春は来てくれないようだ。気温は上がってきているが太陽が顔を見せてくれない日が続いている。菜種梅雨と言うにはまだ早いのだが、すっきりしない天候である。かえって冬の日だまりが恋しいこの頃である。

 省エネに有効と家電メーカーからもLEDを使った照明が販売されている。値段は高いものの少ない消費電力で器具自体も長寿命なので、トータルに考えると経済的でもあるようだ。色も当初の白色だけでなく電球色の温かみのあるものも増えてきた。LEDは指向性があるので、電球のように周り全体を照らす用途には向かないが、ダウンライトやスポットライトには適しているようだ。我が家でも廊下のダウンライトや点灯時間の長い玄関の照明に使っている。フィラメントが切れる心配もなく、発熱も少ないのでメンテナンスがほとんど不要なのが気に入っている。
 白熱電球の生産停止が検討されているという噂を聞くが、将来はこのLED電球に取って代わられるだろう。ただ、蛍光灯が多く使われている現状があるので、メリットの差という面であまり大きな差がないので、こちらの代替えはまだまだ時間がかかりそうである。照明は感性に訴える要素が大きいので、それぞれの好みで多様な器具が使われる状況が続くと思われる。

 なつめ球という蛍光灯シーリングの常夜灯などに使われている小さな電球がある。これをLEDに置き換えたものが100円ショップにも並ぶようになった。LED電球の場合には電子回路により効率的にLEDを発光させているようだが、このなつめ球ではどんな回路で駆動しているのか興味を持った
 LEDは流せる電流に制限があり、過大電流が流れるとすぐ昇天してしまう。またダイオードであるので直流での駆動である。乾電池などで点灯する場合には電流制限抵抗を入れて点灯させているが、このなつめ球の場合はどうなのだろう。確かめるべく、分解してみた。するとコンデンサを介してダイオードブリッジを通り、LEDを点灯させていることがわかった。教科書に載っていた容量性リアクタンスによる電流制限である。計算してみると15mA程度の電流が流れるような値のコンデンサが使われている。この程度の電流なら小信号用のダイオードをブリッジにしても使えるわけである。電流を制限するのなら抵抗を介して行ってもよいはずだが、消費電力という点でデメリットがある。コンデンサを使うのがわかった気がした。
 100円グッズを試してみたのだが、この実験の過程で2個のなつめ球に火を噴かせてしまった。当然、私のように中を見ようとする人がいることは想定していないので、配線が微妙なのである。基板を少し動かすことでショートをしてしまい、抵抗が丸焦げになったのだ。実験用の回線で行っていたので波及事故にはならなかったが、危険な実験なので自己責任を確認した。

 なつめ球は電灯色が欲しいのだが、100円グッズでは赤・青・緑・黄・白という一般のLEDの色しか見当たらなかった。シーリングの常夜灯と入れ替えるには無理がある。しかし、装飾用などで活用できそうなので用途を探ってみたいと思っている。
<追記>
 このなつめ球は円形基板がケースの中に収まっており、乳白色のカバーをはめ込むことで固定されている。また、E17の口金の部分の内部で抵抗による配線は絶縁処理がされず、裸の抵抗が接続されている。口金をソケットに取り付ける際など乳白色のカバーを持って回すと、円形の基板も一緒に回ってしまい、抵抗部分がショートし、火を噴くことがあるので注意されたい。