XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

遠方地震による津波対応

shig552010-02-28

地球の反対側のチリで大地震が起きた。まだ被害の状況が明らかになっていないが、マグニチュード8以上の大きな地震のようである。地形的には日本の東海沖と同じように大陸プレートが沈み込むところのようで、今回も数百キロに及ぶ断層が動いたようだ。
ちょうど50年前、同じチリでマグニチュード9以上という巨大地震が起こり、日本でも津波による大きな被害があった。当時はまだ観測網も整備されておらず、突然の津波で大きな被害になってしまった。特に三陸リアス式海岸での被害が大きかった。以前唐桑半島に行ったとき、津波についての資料館があり、初めて津波の恐ろしさを学んだことがある。地形的に湾の内側になるほど狭くなるこの地方は太平洋の遠方地震による津波に対して、被害が大きくなるとのことであった。
今回の地震でも気象庁大津波警報を出して警戒を呼びかけた。今日は朝からずっと全国でその対応に追われたが、どうやら大きな被害にはならなかったようである。

災害の発生が数時間前から予想され、それに対する対策がさまざまに進められた。被害が予想される地域の避難、避難所の開設、防潮堤の閉鎖、漁船などの避難、鉄道やフェリーなどの交通機関の運用休止、道路の閉鎖などなどが行われ、NHKは終日通常放送を中止し、津波関係の放送をすべてのテレビ・ラジオ電波を通じておこなった。民放も随時情報を流し、ネットでも情報の提供が行われた。
日本中が津波への警戒に追われたのだが、大きな混乱もなく落ち着いた対応であったように思う。大きな津波にならず、被害も少なかったようでなによりであった。自然の驚異には人間はこのように対応するのが精一杯なのだ。

今回の動きは、地震発生の警戒宣言へのシミュレーションにもなったように思われる。
たまたま土曜日から日曜日にかけての出来事であり、多くの家庭で家族が一緒にいた。その安心感もあったと思われるが、大きな災害に対して混乱を少なくし、対処していくにはしっかりとした情報提供が被害を最小に押さえる決め手になるのだと思う。
その意味でNHKが終日行った報道姿勢はさすがであると感じた。情報が刻々と入ってくることで落ち着いていることができる。また、何をすべきかも考えることができる。地デジ、BS,AM,FMというすべてのメディアを連携して使うことで情報の伝達が円滑にできたのだと思う。
災害への備えが、情報メディアの発達によって様変わりしてきたことを実感として感じられた一日であった。