XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

くるま旅・・・渋柿を求めて

shig552009-11-03

 11月3日、文化の日。「自由と平和を愛し、文化を進める日」ということで、さまざまな行事が行われる。そしてこの日は晴れの特異日だそうだ。今朝は、この冬一番の冷え込みで東京でも10℃を下回り、11月下旬の気温となった。各地からは雪の便りが届き、宮崎の山では霧氷が見られたという。でも、東京では朝から青空が広がり、寒さはやってきたものの、気持ちよく晴れ上がった。凛とした空気の中、暖かく感じる太陽に照らされるのは、気持ちがいい。

 葉の落ちた柿の木に、よく色づいた実が日光に照らされて輝いている。昨年、この時期に渋柿を手に入れ、干し柿を作った。皮を剥き、お湯をくぐらせてからひもに吊した。風通しに気をつけながら干していると、徐々に表面が乾き、干し柿らしくなる。ときどき揉みほぐすように手入れをし、2週間程で食べられるようになった。その後、袋に入れて保存しておいたが、気がつくと周りに白く粉をふき、市販されている干し柿のようになっていた。
 思ったよりも簡単に干し柿ができ、食べても堅さはあるもののとても甘く、素朴な味わい深いものができた。そのまま食べるだけでなく、細かく刻んで酢の物にしたり、お茶でもどしたものを刻んでヨーグルトに入れて楽しんできた。
 今年も、干し柿作りをしようと渋柿探しに出かけた。昨年は山の方の農産物販売所で手に入れたはずである。しかし、どこの販売所だったか失念してしまった。甘柿はこの季節ならだいたいの販売所で手に入れられるのだが、渋柿はなかなかお目にかかれない。昨年もたまたま立ち寄った販売所で偶然に渋柿を見つけた。物珍しさからそれを買い求め、干し柿作りに挑戦した結果が上出来だったのだ。
 とりあえず、山に向かう高速道に乗る。青空の下、出発した時間も中途半端に遅かったので、渋滞もない。空気が澄んでいるのか山並みがきれいに見える。山の形からあれは何山、こちらの山はどこの山だなどと景色を楽しむ。のんびりした走行を小一時間楽しみ、山の近くの販売所に着いた。近隣からさまざまな農産物が集まっていて見て歩くだけでも楽しい。しかし、甘柿は出ているのだが、お目当ての渋柿がない。この時期ではなかったのだろうか。
 仕方なく、別の販売所を見てみることにする。山間の道を走り、街のほうへ下っていく。民家の庭先には柿がきれいに色づいている。あれは甘柿なのだろうか、それとも渋柿なのだろうか。あの柿が販売所に持ち込まれていれば渋柿に出会えるかも知れないと期待しながら車を走らせた。
 2件目の販売所でも渋柿には出会えなかった。渋柿の流通は限られているようだ。家の近くのスーパーなどでは見かけたことがない。山に近い農産物販売所でも運がよくなければ出会いないもののようだ。今時、干し柿作りをやってみようなどと考える人はごく希なのかも知れない。干し柿の産地では軒先一面に柿が吊され、あたり一面が明るいオレンジ色に染まっているという映像をよく見かける。干し柿はそのように生産された市販品しか手に入らなくなってしまったのだろうか。
 さらにいくつかの心当たりを回ったが、結局渋柿は手に入らなかった。今回のくるま旅は、きれいな青空の下で山の空気を吸い、色づいた木々を愛で、ドライブを楽しんだだけで、目的を果たせずに終了した。

 家に帰り、試しに、ネットオークションで検索してみた。いくつかの出品が見つかった。ショップのものもあったが、家の柿を取って送るなどというローカルな出品もあった。柿そのものの値段はそこそこだが、地方から送ってもらうと重量もあるので送料が高くなる。手近で渋柿を手に入れる方法はないか思案中である。