XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

サクラが開花しました。

shig552009-03-23

 日一日とサクラのつぼみが膨らんでいる。遠くから見ても木全体がピンクの色を帯びてきたように見える。二日間暖かい日が続いたのでそろそろ花が開くだろうと期待していた。
 今朝は寒くはないが曇り空で、昨日までとはうってかわって冬に戻ってしまったような天気だ。いつもの通勤経路、川沿いを行くと、何本かの木に淡いピンクの花が付いていた。気象庁ではすでに開花宣言をしているが、この辺りは一足遅れた開花である。枝全体に色を覗かせたまあるいつぼみを付けているので、近いうちに満開になるだろう。
 サクラは木がまるごと花で覆われて、辺りの景色まで変えてしまう。まったく華やかな木である。人々が待ちこがれるのが当然だと思う。私もこの季節になると、サクラのふくらみ具合が気になり、開花を心待ちにしている。

 サクラが人々に好まれるのは、葉より先に花が咲くことが大きな要素なのだと思う。コブシも、レンギョウも、木蓮もまず花を咲かせ、花が終わる頃に葉が出てくる。花だらけの木になっている。
 一方、ユリの木やツバキ、サザンカは緑の葉に囲まれて花が目立ち、、コデマリユキヤナギなどは緑の枝を背景に花の色が映えて美しい。
 植物は光合成をして養分を生み出しているのだから、葉の存在は大きいはずだ。だから花の葉が同時に存在するのが普通なのだと思う。それなのに花を先に、花が終わる頃に葉を出してくるサクラのような花の咲かせ方のメリットは何処にあるのだろうか。
 花木だけではなく、草花のコルチカムという種は球根を置いておくだけで花を咲かせる。水も土に植えることも必要ではない。机の上に置いておくだけで花芽が伸びてきて咲くのだ。花が咲いた後は土に植えて葉を出させる必要がある。葉や根が出ると養分を貯めて球根が育つのだ。花を咲かせるときと葉を茂らせ球根や幹を太らせるときとがずれているのには何か理由があるに違いない。
 植物が花を付けるのは受粉によって種子を作ることが目的である。子孫を残すために種子をたくさん付けるような仕組みになっている。花の数が多ければ多い程、受粉の可能性が増え、種子ができやすい。しかし、果樹栽培では摘果ということが行われる。果実が多すぎるとその果実自体が十分に育たず、ひ弱な実になってしまうのだ。こう考えると花を多く付けるのは丈夫な子孫を残すことには結びつかないように思う。
 人為的な選別によって人が花を楽しむために改良されてきたと考えるのはどうだろう。先に挙げた花木は園芸品種であるからこの説は正解に近いかも知れない。野生の植物でこのような花だらけ植物を探すことができれば反証とするができるだろう。
 逆の例があることに気づいた。オオシマザクラである。この木は花と葉が同時に出てくる。花の色も白に近く、ソメイヨシノほどの華やかさはない。私たちが目にする機会が多いのはソメイヨシノだが、「華やか、きれい」という基準で選ばれた花木がたくさん植えられているのと考えるのがよいのだろうか。

こんな理屈を並べるより、サクラの美しさを楽しめばそれでいいのだ。・・・・

追記
 今、よく見かけるサクラはソメイヨシノだがこの木は江戸時代に発見された園芸種で、接ぎ木という手法で増やされたクローンなのだそうだ。同じDNAを持っているので、病気が流行るとたちどころにダメージを受ける可能性がある。それに対してヤマザクラなど野生種は同じ種であってもDNAの多様性があるのでダメージの広がりは少ないと言われている。園芸種は華やかさと裏腹に脆弱性を持っているようだ。
 <<この項、書きかけ>>