XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

製造物責任

shig552007-05-27

バラの花が満開になった。色とりどりの花が近所のバラ園で見頃になっている。緑の葉とピンク、白、黄色、深紅と鮮やかである。
日本列島全域が高気圧に覆われ、晴天。街を行く人々は半袖で日傘を差す人も見かける。しかし、空気は乾いていて気温の割には暑さを感じない。日陰にはいると肌寒ささえ感じる爽やかさだ。

先日の新聞にボタン電池の破裂の記事が出ていた。小学生に持たせる防犯ブザーの電池が使用期限になったので取り替え、電池を並べておいたところ破裂したという。そのため、ブザー内部でも破裂の危険があるためすべてのブザーを回収するよう指示したとある。
この記事を見て、不思議に思った。電池は化学作用で電圧を生み出しているのだから、その扱い方で破裂を起こすのは当然ではないかと思ったからである。小学生に持たせるブザーであるから少しでも危険と思われるものは、避けたいという気持ちなのだろうが、根本を見失っているように思うのだ。
どんなものでも、「正しい使い方をすれば」という条件付きなのではないだろうか。どんな使い方をしても安全という要求ではほとんどのものは除外されてしまう。危険防止のために、その製造者は考えられる限りの対策を講じることは大事だと思う。しかし、その製造物を使うことで得られるメリットを使用者が求めるならば、それを安全に使う義務が使用者に課せされるのではないか。課せられるというと言葉がきつければ、注意書きなどで使い方を指定することで安全への配慮になるのではないだろうか。
私も乾電池やニッカド充電池を破裂させたことがある。過充電などをすれば内圧が高まりそのような状況が起こると理解していたから、もしそうなっても安全なような使い方をしていた。ボタン電池であっても流通や販売ではしっかりセパレートされ、事故の起こらないようにされている。今回の事故は電池を入れ替えて、器具から取り出した電池を積み重ねておいたことから発生したようである。(新聞記事からの推定。詳細を確認したわけではない)その状況の中である電池に対して充電状態が起きてしまったと考えることができる。保管方法のミスではないかと思うのだ。
製造物責任法(PL法)が施行され製造者の安全に対する責任が定められたのは当然だと思うが、消費者の責任が免除されるわけではないという点があまり認識されていないように思う。

毎日の新聞に、お詫びの記事が出ている。製品によって怪我をした例が示され改修するということ、アレルギーの表示が抜けていたこと、賞味期限が異なっていたことなど製造者側の告示である。製造者がこのように自分の製造物について知り得た情報を周知することで事故の防止に結びつくことは好ましいことである。しかし、消費者はすべてを製造者に頼るのではなく、自らの判断で安全に使う努力が必要なのだと思う。工業化されたからこそ、さまざまな製品として身の回りにモノが溢れているが、もともと私たちの生活に必要なモノは自分で作ったものである。

安全な社会というのは誰かが責任をとってくれる社会ではなく、自分の責任で安全を確保していく社会であるという視点を外さないようにしたい。