XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ハルキゲニア

shig552007-05-05

九州・沖縄地方はもう雨になっているようだ。関東では日中は天気が保っていた。雨雲がだんだんに東に移ってきている。高速道の渋滞は始まったようだが、今日の東京都内の交通は至ってスムーズだった。街はのんびり休日を過ごしている。気温が上がり、人々はもう夏の装いだ。短いズボンに半袖のシャツ、帽子をかぶりサングラスを付けるといういでたちの人が多い。

ネットにビデオを配信しているところがある。TEPIAという日本機械工業会のサイトでおもしろいビデオを見つけた。
「ハルキゲニア」という自動車の紹介である。千葉工業大学のfuroという古田教授がセンター長を努めている研究所で開発された8輪の自動車模型である。車輪一つ一つに4個のモーターが組み込まれている。回旋・上下動・方向・ホイールの駆動をするモーターで、それらを協調させて動作させるための小型コンピュータがあり、それぞれのコンピュータがネットを作っている。ちょうど生物の神経系統のように各機能に分散情報処理機能を持たせ、それらを統合する脳のような仕組みである。
従来の自動車がエンジンからの力を物理的に車輪に伝え、車輪の回転と向きを制御することで移動を可能にしていたのに比べ、まったく異なった仕組みで移動する自動車である。

furoはmorphというロボットで有名だが、そのロボットの動きを自動車という移動機能に特化して考え出されたのが、このハルキゲニアだという。
一つ一つの車輪が自律して動くので、段差を越えたり、傾斜地を車体を水平に保ったまま登ったり、その場での回転や直角に進行方向を変えたり、これまでの自動車にない動きをすることができる。
紹介されているのは模型段階のものであり、実用にはまだ時間がかかると思われるが、とてもおもしろいアイディアだと思った。

慶応大学の清水研究室ELIICAはごく近い将来の実用化まで来ているようだ。リチウムイオン電池を使用し、1回の充電で300kmを走行でき、何よりもその加速がすごいという。この車も8輪だがその一つ一つにモーターが組み込まれている。ハルキゲニアほどに一つずつの車輪の自由度はないが、高速で移動するという機能を追求し、二酸化炭素の排出抑制という環境問題への対応を考えた、今の自動車からの延長上に位置する車だと思う。

今日は外に出かけることもなくネット内の散歩で終わってしまったが、新しい技術に触れることができた。メカニックとエレクトロニックの融合で新しい世界が広がっていくようだ。