XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

田んぼにも春が来た

shig552007-04-22

今日も風の強い一日。天気予報では朝から雨と言うことだったが、雲は多いもののときどき青空ものぞき、気温も上がった。
強い風に煽られながら散歩をしたが、暖かいだけに以前のようなつらさは感じない。青葉若葉の季節になり、色とりどりの草花は風に泳いでいる。

泳いでいるというとこいのぼりも季節を感じさせる風物だ。
先日北関東方面を走ってきた。市街地を抜けると大きな鯉のぼりが目立つ。高い柱を立てその両側にステーのように綱を広げ、たくさんのコイや吹き流しがなびいている。子どもの誕生を祝って親戚中からお祝いされたのだろう。大きさもさまざま、色もさまざまなコイが泳いでいる。これだけのコイが泳ぐためには大きなスペースがなくては飾れない。北関東では家の北側には風よけの屋敷林を造っている家が多いので、だいたいの鯉のぼりは家の南側に立てられているようだ。
広い敷地を持つ農家ならではの風景、日本の原風景というような情景である。まるで時間までもゆっくりしているようだ。

5月が近づいてくると田んぼの準備が始まる。田をならし、畦を修復し水入れが始まる。今回は行ったところでもこの水入れの様子をいくつも見かけた。水路から徐々に水がしみこみ、だんだんに田一面に水を満たしていく。畦で仕切られた田ごとに水田になっている様子がおもしろい。
関東平野はほとんど平坦であるので水路作りにもその土地その土地で工夫がされている。コンクリートの樋のような水路が張り巡らされているところもあり、畦と畦の間を水が流れているところもある。また、田の脇にポンプ小屋が作られ水を引き込んでいるところもある。

玉川上水が作られたときにも台地のできるだけ高いところを通して、そこから分水したくさんの新田開発が行われたということだが、稲作のために人々がさまざまな工夫と努力を重ねてきたことがわかる。ほとんど平らな地面にいかに水を行き渡らせるのか、ひと鍬ひと鍬人力で田を作ってきた苦労が偲ばれる。今はほとんどトラクタで耕されているようでどの田もきれいに整地され、水が満たされたところはきらきらと輝いている。現状を見ただけでは当たり前の景色になってしまうが、歴史的な視点を忘れては行けないと思う。食料生産という一の生命を支えるために先人たちが築いてきた歴史である。

少しずつ田に水が入り、代掻きが行われ、田植えの季節へと移っていく。稲が生長し一面が金色の田になるまで八十八の手間をかけながら米作りが行われる。ひと手間ひと手間の積み重ねからおいしい米ができてくる。春風とともに日本の生活も進んでいく。