XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ノートPCを復活させる

shig552006-10-26

めっきり涼しくと言うよりも寒くなってきた。街路には銀杏があちらこちらに落ちている。拾う人も少ないのか、人や車に踏みつぶされ白い跡となっている。天候も安定してきて秋が深まってきた。

手がけてきたノートパソコンの件。とうとう3台目を手に入れ、2台が動き出した。普通2台の良い部分だけを寄せ集めて一台を組み立てる「ニコイチ」をするのだが、今回は2台目があまり使えず、3台目に手を出す羽目になってしまったのだ。
2台目はやはりBIOSかMBが壊れていたようで、警報音だけで起動することができなかった。しかし筐体はきれいで、キーボードや液晶の表示部は十分に使えそうなモノだった。これらをどうにか使いたいと3台目に手を出してしまったのだが、それは液晶に縦に線が入っているものだった。
3台とも同じシリーズのモノで共通部品が多かったが、微妙に異なるところもあり流用できる部分とそれ固有の部分がある。それらを組み合わせ、2台の完動品を組み立てたのである。CPUの速度がほどほどなので、メモリーを最大限に増設し、OSがどうにか動くようにした。そのためHDDの大きいモノが必要になり、またまた出費である。
このシリーズが売り出されたのは1999年とのことだが、このころはまだまだアマチュアでも手が入れられる作りになっている。ほとんどの部品がコネクタによってつながれ、ビスを外すことでバラバラに出来るのだ。ここの備品にしてしまえば活用する部品が細かく流用できる。一体モールドのモノは流用するにも、そのものが手に入らなければ使えない。汎用性が乏しいのだ。
今回の作業で気づいたことは、筐体に複数のシリーズに使えるようビスの穴や基板を受け入れるスペースなどが複数作られていて、同じ金型で整形された筐体がさまざまな型番の機種として使われていると言うことだ。金型は数百万円すると言われているので、このような工夫が行われているのだろう。また、こうすることで中身や機能は違っても、外見が同じシリーズ化された機種を送り出すことが出来る。

ところで、東大阪や大田などで中小企業の廃業が進んでいるという。金型など手間のかかる少量生産のモノの多くは中小企業が支えてきた。町工場の優れた技術が日本の産業を支えてきたが、それが後継者不足で廃業しているという。日本の産業構造が変化し、足下を支えることが出来なくなってきている。もの作りのおもしろさがもっともっと認められる世の中にしたいものである。